このままじゃあ、携帯も見られるに決まってる!


私は焦りを隠しながら携帯を坂下君が取らないように祈った。



…が、私の願いも虚しくデコ電はバッグの中でとても目立つのであっさり見つけ出されてしまった。



「凄いキラキラしてますね!女の子は皆デコ電ですよね。これは自分で?」


「…いや、行きつけのネイルサロンでやりました」


私はハラハラしながら坂下君の手元にある携帯をみる。



絶対開けるなよ〜!
私は良くてもJEWELの事務所的にマズイかもしれないんだからっ!



私が睨みを効かせていると坂下君が引き気味にテーブルに携帯を置いて次の持ち物に移った。



…良かった!

念が通じた!












「はぁ…疲れた」


仕事が全部おわってホテルに着いたのが午後8時。

部屋に着いた途端、服のままベッドに入って眠った。








「♪♪〜♪♪♪♪〜」


携帯の着信で目が覚める。

眠気眼で電話に出ると光城からだった。


「…起きてた?…」

「…う…ん」


何となく嘘付いちゃった…。

光城からの電話が嬉しかったから。





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