私の涙を見た時、永山シュウは悲しい顔をしながら涙を拭ってくれた。



何でハッキリ嫌だって言えなかったんだろう…。


お風呂の中でそんな事ばっかり考えていたせいで、のぼせそうになってしまった。



お風呂から上がってテーブルの上の携帯を見ると、誰かから着信があった事を知らせるランプが点滅していた。



…誰からだろう…。


「あっ!敬子かも!」


急いで携帯を開き、確認するとやっぱり敬子からだった。



かけ直し、今日の事を謝る。



「あっ、敬子?今日はゴメンね?」



「もう!びっくりしたよ。急に帰るんだもん…」



「すみません…」


「まっ!許してやるか。その代わり、ちゃんと埋め合わせしてよ?」



「うん!ご飯奢るよ♪」



敬子はさほど怒っておらず、すぐに許してくれた。



…本当、すいません!




オヤスミの挨拶をして電話を切ると、すぐに着信音が鳴る。




「あっ、美恵子だ!」



久しぶりの電話に嬉しくなり、急いで通話ボタンを押す。




「はい!美恵子?」


「…早ッツ!」





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