「まぁ、何はともかく助かったよ。ありがと」



この前の事と言い、永山シュウにお礼を言われると虫ずが走るよ…。



「…ぢゃあ、帰ります」


すくっと立ち上がり、その場から立ち去ろうとする私を永山シュウの右手によって阻止される。



「…やっぱ俺、嫌われてんの?」



「…別に!ってか離してよ…」



捕まれた手首を見る。



「ん〜…嫌だ」



『嫌だ』って…22歳の男がよく言うよ。



「なんで?」


「好きだから」


上目使いで言われ、不覚にも照れてしまう。



「…また嘘!?いい加減にしてよ」




「…はぁ、マジだって言ってんのに面倒臭い女だな」


永山シュウは掴んでいた手をそのまま自分の方へと引き寄せる。



ヒールを履いていた私は足がもつれ、永山シュウの胸へ飛び込んでしまった。





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