「そんな怖い顔すんなよ!」


隆起が俺の背中をバシっと叩く。



「いってぇな!」



「ウチのボーカルはわがままで本当困ったもんだな」


春が笑いながら俺の頭をグシャッとさせた。



「何なんだよ…気持ち悪いな…」



「皆、嬉しいんだよ。JEWEL復活出来るんだから」



今度は空が俺の肩に手をポンっと置いた。



「…そっか」


皆も俺の為にJEWELから身を引こうとしたんだよな。


本当は続けたくて仕方なかったのに…。



まじ、最低な男だわ…。









「ところで、姫とは本気で別れたん?」


春に聞かれ、黙って頷く。


「お前それで良いの?」



「うーん、メチャ辛いけど別れを選択しちまったのはやっぱり俺のせいだし、俺がしっかりしてなきゃ、あいつとヨリ戻しても結局駄目になっちまうんじゃん?」



「「「うん」」」



「だから、JEWELが頂点に立ったらあいつも何も気にする事無くなるんじゃねぇかと思って」



「そっか…でもJEWELが頂点にって…何か夢だよね」


空が目を輝かせながら天井を見上げた。




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