結局、由紀さん御用達の御飯のおいしいカフェに連れて来て貰った。
「ご馳走です!…ところで話って…」
少し不安な顔で由紀さんに聞く。
「…あぁ、連ドラで主役の話が来てるのよ」
由紀さんは、口元をナフキンで拭いてニコリと笑った。
えっ…。
ドラマ?主役?
あまりの事態に弱冠戸惑いつつ、グラスの水を一気に飲み干した。
光城との事だと思ってたから拍子抜け…。
ドラマか…やりたい…。いや、ロケ現場って…。
「あっ…あのぉ、撮影って…」
「主に都内よ」
「やっぱり…」
ドラマって一度しかやった事無いけど何ヶ月もあるんだよね?
学校、そんなに休めないよ。
私が返事に困っていると、由紀さんが口を開いた。
「実はね、結構前から話は来てたの。だけどスキャンダルで色々大変だったから言い出せなかったんだけど、探偵ルイードが定評でね他にも仕事のオファーが来てるわ」
確かに探偵ルイード辺りから急に出演の決まった番組が何回かあった。
ただの代役みたいな感じに思ってたんだけど…。
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