優太side


『優太っ！円陣組むからちょっときて！』




と走ってやってきた悠希についていく。


俺走らないのに、いいのかな？と思いつつもみんなの輪に加わる。


あったかくて、やっぱり俺の居場所はここだなと改めて感じる。



照れ臭く思い、美帆を見ると、美帆も俺を見ていて、にこっと笑いかけると、
美帆もそれに返してくれた。







『おっしゃ、いっちょやりましょか。
ぜってー、最高のリレーにするぞっ！』




「「「「「おーーーーーーー！」」」」



というみんなの掛け声が席に帰った俺の頭にずっと残っていた。


パンっ！！

というピストルの音で一斉にみんなが走り出す。





風をきるように走る姿は俺の心を鷲掴みにして離さない。





男子も女子もこの日だけは関係なく全員が頑張っている。





頑張れー！と声をかける俺に気づいた美帆がこっちを見て微笑み、


「が、ん、ば、る。」




と口パクをした。






俺もそれを返してまた走っている人に目を向ける。




俺のクラスは一番で、先頭でみんなを引っ張っていた。





美帆が走って、南さんが走って、
また差が広がる。





2人は手を取り合って喜んでいて、
嬉しがっていて、青春だなぁー、と呑気なことを考えていた。