美帆side





『いい?みんな、作戦は覚えてる?』



という悠希の呼びかけに、みんなが応える。




「覚えてるー」
「大丈夫。」 「任せて!」




頼もしいな、みんな。
ねえ、ゆう、届いてる?


こんなにも、みんな協力してくれて、
考えてくれてるんだよ。





ゆうは全然一人じゃないよ。私もみんなもついてるよ。






走ることよりも、この作戦が成功して欲しいという思いと緊張とでとってもそわそわしてしまう。





『大丈夫。』

そう言ってかりんは私のてをぎゅっと握る。




大丈夫、大丈夫、と自分に言い聞かせるようにしていると、





『よっしゃっ!円陣組むぞ。』



「工藤くん、呼ばなきゃ」
と誰かが言ってくれた。



悠希は、そうだな、と言ってゆうの方へ走ってゆうを連れてくる。




ゆうは照れ臭そうにはにかんで、
私の方をみてにこっと笑った。





『おっしゃ、いっちょやりましょか。
ぜってー、最高のリレーにするぞっ!』





「「「「「おーーーーーー!」」」」」


とみんなの声が響いて私の体を震わせる、揺らす。





感動して涙が出そうだったけど、
それはかりんの、手によって止められた。




『まだ泣いたらダメだかんね。もうちょっと我慢しなよ。』


といって笑うふんわりとした笑顔を見ているとやっぱり自然と涙は引っ込んだ。