『ねえ、キスして。』

やっぱり美帆。俺に気を使ってる。
最後の思い出を作ろうとしてる。



恥ずかしいのと、理由を知りたいのが重なって、なんで?と返す。



『してほしいから........『だって電車の中でイチャイチャしてるひと見るのいやじゃな...みんなにみて欲しいの。』

声が重なる。
『みんなに....みんなにいいなって思って欲しい。みんなの目に焼き付けたいの。』








だけど、美帆のキスしてる時の顔なんて誰にも見せたくない。俺が全部一人占めしたい...







でもそんなことは恥ずかしくて言えなくて、、、、
ぎゅっと詰めてキスをする。


『そんなに詰めたら見えないじゃん。』

どうやら美帆にはおれの作戦はばればれで、とんっと体を離される。




だって見せたくない。美帆のキス顏。
と恥ずかしさを隠すように笑って返す。



美帆は真っ赤になり、私は見せたいのに........と小さな声で言った。





『なら、壁ドンしてよ。いまはやりの壁ドン』




また壁ドンなんて、恥ずかしくて出来ないよ......
でも、美浦の顔を見たらそんなこと言えなかった。






だって......






少し泣いてたから。











それでも笑顔になり、学校いったらしてよと笑う美帆。




わかったと返事をする。
ごめんね。美帆。無理させてごめん。