階段を急いで駆け下りる。
玄関につき、乱暴に靴箱を開け、靴を取り出して、急いでそれを履いた。
門にゆうの影が見える。
影だけで、愛しくて、愛しくて。
待ちきれず、
『ゆうっ!』
と声をかけると振り向くゆう。
『美帆、おかえり。お疲れ様。』
ゆうのおかえりが一番心を暖かくしてくれる。これだけあれば生きていけるような、そんな気もしてくる。
ゆうは私をぎゅっと抱きしめ、そっとキスを落とす。
優しくて、とろけるようなキス。
そして、
唇から離れる暖かさ。
唇にジンジンと残る暑さとは対照的に、心は寂しさに震える。
もっともっとゆうを求めてしまう。ずっと離して欲しくない。
『美帆、観覧車乗りに行こう!』
今度は手に暖かさを感じる。
全身が暖められていく。
『うん、いこっ!』
私はゆうの手を引っ張り歩く。
ふと見てみると、さっきまでは全然きづかなかったけど、ゆうの服装は制服で。
『なんでゆう制服なの?』
『え、だって、制服デート良くない?』
『なんか聞かれないかな?』
『そしたら、コスプレです。って言おう。大丈夫でしょ。』
このままバス乗ってこー。と言って今度は私を引っ張るゆう。
楽しくて、楽しくて、仕方がない。
この時間があと6時間続きますように。
ゆうの発作が起きませんように。
ゆうが少しでも幸せになれますように。
神様、私のわがままを許してください。
