優太side





....ガラガラ



扉が開いて美帆が入ってくる。
辛そうな顔に笑顔を貼り付けた。そんな顔をしていた。




『なんか言われた?』


ううん。と美帆は首を振るばかり。


『そっか。』




美帆の辛そうな顔と、涙でいっぱいの目を見て、もう外には出られないんだろうな。と悟る。



『今日は帰りなよ。疲れてるだろ。』


『いや、今日は泊まる。』


『だめ。明日も学校あるじゃん。』


『行かない。行きたくない。』


『なんで、だって約束したじゃん。』



『ゆうが行けないのに、行きたくない!!そんなの、楽しくないもん!』

そう言って美帆は、泣き出す。


俺はベットから起き上がり、美帆の涙を拭う。


それでも止まらない涙。


『今までも俺、いなかったじゃん、』
と言って小さく笑う。


それでも美帆は泣き止まない。


『はぁー、しょーがねーな。
美帆のお母さんがいいって言ったらいーよ。だからほら、泣き止めって。』


美帆はそれからもしばらく泣き止まず、
少し落ち着くと、お母さんに電話して、
許可をもらったみたいで、
泣き疲れた子供のように寝てしまった。