しかし城崎は平気なようだった。 と思ったが、泣き出した。 そして平助について言った。 俺も平助の笑顔を思い出した。 あの笑顔をもう見ることはできないのか。 あの笑顔が笑いかけてくれることはないのか。 また泣いた。 総司も泣いた。 酒は人の心をさらけ出してしまうのだな。 だが今は、誰かと悲しみを分かち合うことができる。 それはそれでよい。 俺達は、それからずっと泣いていた。 気が付くと、夜中だった。