散る頃に咲く花~番外編~


にっこり笑うと、青葉ちゃんも少しだけ微笑んだ。

「じゃあ、私は夕餉の支度がおりますからこれで。」

青葉ちゃんは立ち上がると部屋を出て行った。

律儀に一礼してから。

そういうところが、好きなんだよ。

僕はなんだか団子を食べるのがもったいなく思ってきた。

せっかく青葉ちゃんが買ってきてくれたのに、食べたら無くなっちゃうんだ。

青葉ちゃんもそう思ってくれているのだろうか。

僕があげる金平糖を、もったいないなと思いながら食べてくれているのだろうか。

そうだといいな。

口の中に入れた団子は、ほんのり、甘かった。

end