「では、手紙を書きやす」 私は笑ってそう言った。 永倉様が、結婚なさった。 それは、嬉しいけれど、やはり悲しい出来事だった。 手紙は、お母様に字を習っていたからすらすらと書けた。 永倉様が喜んでくれるような手紙を。 しっかりした子だと思ってくれるような手紙を。 私はそう思って書いた。 心を込めて。 永倉様が幸せに暮らしますように、と、願いを込めて。 私は手紙を書いた。