そのまま歩いて到着したのは、『夢見荘』という古ぼけた看板のアパート。
これは私の住まい。勿論、のあとは省略。
そこで待っていてくれたのは、蘭と夢食いバクのハク。
「蘭、それにハク、久しぶりだね」
蘭を撫でながらハクをぎゅってしてあげる。
ハクはとっても嬉しそうに私に体を擦り寄せる。
蘭は気持ちよさそうに目を閉じるものだから、「蘭、ハク」と声をかけなければならなかった。
「それでハク、今日の夢はなに?」
私が言うと、ハクはペンダントから虹色に光る石を出すと、クイクイと私の方に突き出す。
今日の夢はいい夢かな。
ハクが出した石は、夢見石と言って、夢を見れない人に夢を見せる道具。
私の場合、こんな夢しか見られないからここでハクに石を貰うの。