その言葉を残して彼女はバスを降りてしまった。一体誰だ?記憶のすべてを辿ったが分からない。そして、あの笑顔が頭から離れられないでいた。

その出来事から一年が経った頃...
僕は今小学校の時の同窓会に来ている。もう誰が誰だかわからないくらいみんな変わってしまっている。
「どうもー」
一人の女性が後ろから僕に声をかけてきた。
「どうもー」
僕も後ろにいる彼女に声をかけ、振り向いた。我が目を疑った。
「えっ?」
思わず言葉にした。
「その反応って事は今回は覚えてるって感じだね。私だよ。夕美。こないだはごめんね。まともに挨拶もしないし、あんな事にも巻き込んで」
そうこの笑顔。まぎれもなく1年前のバスにいた彼女だった。夕美?夕美っていったら僕が小学校の時告白をして見事にふられた相手だ。その後彼女は引っ越してしまった。いつ戻ってきたんだろうか。
「私去年仕事でこっちに戻ってきたんだ。総司はずっとこっちに?」
「あぁ、ずっとこっち。」「そうなんだ。彼女いるの?」
いきなり会ってそれかよ。
「あぁいるよ」
「だよね。総司はかっこいいし、昔から人気あったもんね」
昔ふっといてそりゃないだろ。
「逆に夕美は?」
「いないよ。でも好きな人はいる」