平くんは私たちと並んで行きたくないのか。
先にどんどん歩いて行ってしまう。
『あき・・・あき・・・あき・・・』
ってかさっきからなんかブツブツ言っていて
怖いんだけど。あき?!
季節の事?人の名前?なんかのおまじない?
とりあえず怖い。
『あき・・・あき・・・あきさん!・・・あき』
時々『あき』って言う声が大きくなる。
『こわい。』
『あ~あれ?平君の好きな人の名前だよ』
はいいいい?!好きな人の名前をあんなに
連呼してるんですかいい?!ストーカーが
しそうなことだよ。
平くんは一度こっちを振り返って
止まった。
なになになに?!こわいんだけど。
そして『ふっ』と笑ってまた歩いた。
・・・なんで笑ったの。
もうわけわかんない!!!
あ、よかったもう図書室だ。
『失礼します』
礼儀よく入る平くんの後ろにつづく。
あ・・・祐ちゃんだ。
こっちに気付いてまた本をみた。
傷つくからね(-_-)
『こっちに来てください!』
『ひらっち。図書室では静かにしろ』
一瞬恋の声で図書室が一気に凍る。
迷惑かかることしたら、怒るからね。
平くんは『お前が言うな』ってちゃんと小声で
言い返した。もちろん恋には聞こえていない。
平くんある意味なんかすごいかも。
『・・・で?平くんなぁに?』
あ、なんか言いたかったんだっけ
『宇宙世界より。これをみなさんに見せたく。』
『へぇ宇宙世界より。』
完璧なヲタクの本。ま、まぁ。