歩み去っていく紅の背に。

「ああ、存分に働いてもらうぞ」

私は声をかける。

…彼は振り向く事なく、右手だけを軽く上げた。

「戦場に立つ時は、俺はいつでも敵に不吉を届ける魔風だ」