助走距離が短かったせいか、思ったよりも前進はできなかった。 しかし飛び散る火花の中、子供とはいえ二人分の体重を抱えた私の体は残酷な程急速に落下する。 炎が私の左足をかすめた。 「フレイ」 私は壊れたって良いの。 けど、壊れてでもこの子だけは助けたい。 「フレイ、力を貸して―――!」