私は少年を抱え、地上を見下ろした。 さっきよりも断然に大きくなっている炎。 下から上に飛ぶよりは簡単だろうが、場所が悪い。 でも、悩んでいる時間はもうなかった。 「離しちゃ、ダメよ」 少年にそう告げながら数歩後ろに下がり、助走をつけて私は窓から飛び降りた。