それから毎朝、私はフレイの眠る木の下に言った。

「フレイ。おはよう」

返事が来ないのはわかっていたが、数十年も続けてきた習慣を今更やめるつもりは無かった。


「例の液体は、32時間41分07秒でやっと止まったわ。体内の水分を全て出し切ったのかしら」

私を作ったフレイなら、あの液体が何なのかを知っていたのかもしれない。