息切れて必死で走ってきてくれた大好きな亮が今のここにいる。
お母さんから聞いたってさっき瞬太郎が言ってた。
あたしはこの状況でもドキドキしてる。
「なぁ、まみ病気って本当かよ?ガンって・・・」
泣きそうな亮。
「本当だよ。ガンなんだ。」
あたしは亮の顔にズキっとする。
でも。これはほんとうのことだから。
真実なんだから。
嘘はつけない。
「でも、治るんだよな。」
あたしは頷いた
大丈夫だよって言って抱きしめたい。
そんなことできないのは分かってるんだけどね。
すると瞬太郎が俺はもう帰ると言って病室から出てしまった。
突然の二人きり。
あたしは病気のことより何故か亮のことを気にしてしまった。
あたしがすきだと気づいてからの二人きりは初めてだから。
「しゅ、瞬太郎帰っちゃったね、もっといれば良かったのに。」
この空気、耐えらなさそう。
なり止まない心臓。
「帰ってしまったな」


