あれから数時間経った。 もう遅いよね。 「亮、あたしもう大丈夫だから、帰っていいよ?」 「んー俺はここにいたいから」 亮は満面の笑顔をしていた。 あたしの胸はドキンと高鳴った。 亮を見るたび高まる音 聞こえてしまうんじゃないかって思うぐらいに。 「あ、あたし、龍が待ってるから。かっ、帰るね、ばいばい」 あたしは逃げるように走った。 この正体何かは分からない。 あした、彩香に相談しよ。 彩香ならきっとこの正体、分かるから。