君との距離は1メートル 【完】




「愛巳?どうしたの?」


「あ、杏奈ごめんね…。よる遅くに」




少しだけ沈んだ声の愛巳。


「大丈夫だよ。どうしたの??」



私はできるだけ明るい声を心がけて聞いてみた。




「いきなりなんだけどさ…私光が好きなんだよね」



え、本当いきなり。いや、別に奏子から聞いてたからいいんだけど。





「今日奏子から聞いたよ。2人で応援するから、愛巳頑張ってよ」




とびっきり明るい声で言うと、電話の向こうから


えっ

という驚く声がした。



「奏子が言ってたの?私が光が好きってこと」


「あ〜うん。…まずかった?」




秘密の方が良かったのかな…





「いや、ううん。大丈夫。そっか〜良かった〜!実は杏奈も光が好きなのかなって思って〜」





「ええ?!まだ知り合ったばっかりなのにそれは無いって!!今日奏子にも同じ事聞かれたよー」





私そんなに光君のこと好きに見えるのかな?

あまりにも自覚がなさすぎて自分自身に困ってしまう。





「いやー…でも光が杏奈ちゃんなんて呼んでたから仲良いのかなって思って」