「それじゃあ、また明日ね」
奏子とは私の家で分かれた。奏子の家はもうちょと先らしい。
「でも、てっきり奏子が光君の事好きなのかと思ったな」
「俺がなに?」
!!?
ぶんっ、と音がなるくらいの勢いで振り返るとそこにはキョトンとした顔の光君がいた。
「ひ、光君?!」
「うん、光君」
にや、と笑う光君も制服姿だった。
「てか、池田君から光君に昇格したんだ?俺」
あ!!
しまった、と私は口を手で覆う。
「ごめんね!友達とひ…じゃなくて、池田君の話ししてて、友達が光君って言ってたからうつっちゃって」
慌ててごめんねを繰り返す。
「え?友達って?もしかして愛巳?」
池田君は私の必死の謝りをスルーしてそこに疑問を持ってきた。
「そう!あと奏子。知ってるんだよね?」
「ああ、うん。よくうちくるからさ」
はは、と笑って池田君はちらっと家の方を見た。
「立つのもなんだし家で話そうよ」
「ああ、うん!…あ」
うん!と答えてしまってからまずかったと気付いてしまった。
愛巳が好きと知ってるのにその好きな人とってまずいかな?
嫌な気持ちになるよね?
「やっぱり外で話そうよ!空気気持ちいいから」
いや、2人で話すこともダメだったか?
考え出したら全てダメに思えてきたけど、流石に話すくらいいいよね?
「あぁ、いいけど。じゃ、そこ座ろ」
池田君は自分ちの玄関の前に腰掛けて隣をあけてくれた。
私もよいしょ、と隣に座る。