パラパラとみていくと、
可愛い封筒に
アンナへ。 と書かれているものがいくつも、いくつもある。
これはきっと号泣しちゃうから家に着いたら読もう。
封筒を自分の鞄に入れておく。
「あっ!あれ!あんたの通うことになる高校だよ。青葉高校」
不意にお母さんが左の方を指差した。
「ふーん?」
どれだろう…と思い窓から見てみる。
「あの上に立つ白い校舎!」
お母さんが興奮気味で指を差す。
見えたのは、坂の上に立つ白い校舎で本当に普通の高校のようだ。
編入する時に家から1番近くて吹奏楽の割と強い青葉高校を選んだが、もう一つ近くて綺麗な校舎の林丘高校もいいな〜と思ってたのだ。
結局、吹奏楽の強さで選んだけど。
「ってことは、家もうすぐだよね?」
「ええ。あともうちょっと」

