少し恥ずかしくなって下を向いて否定する。
本当に、私は弱いよ。
泣いてばっかだったもん。
「つえーよ!普通好きな人の恋なんて表情を変えずに出来るわけないし。
だから、俺は奏子ちゃんを好きになったんだって」
須藤君はちょっと照れた様子で頰を赤くしてへへ、と笑った。
「それに、まだ諦めてねーから」
「え、え?!」
チラッとこっちを見てから須藤君はベンチから立った。
「当たり前じゃん。杏奈ちゃんに負けたくないしな〜。だから、これから少しは俺の事も見てよ?」
白い歯を見せて満面の笑みをしてみせる須藤君。
カァッと熱くなる頰を私は手で押さえる。
な、な、何をそんな恥ずかしいセリフを!!!
「と、とにかく今日はありがとう!」
「あれ?まぁいいや。いーえ、どういたしまして」
可笑しそうに私を見て笑う須藤君。
なんか、凄く気持ちが軽くなった。
私はまだ杏奈を好きなままなのかもしれない。
でも、当分はそれでいいんだと、今は思うよ。

