「ちょ、奏子ちゃん、もう行こっ!」 後ろで須藤君の慌てふためく声がする、けど 私の頭にちゃんとその言葉は届いてなかった。 ああ、見たくないのに…体が動かないの。 光君の頭で杏奈の顔がすっかり隠れた。 遠くからでもちゃんと何してるか分かった。 「キス…」 ポツリとそれだけ私は呟いた。 別に杏奈と付き合いたいとかそういう事をしたい訳じゃないけど、 でも、でもっー 「え?!奏子ちゃん!」 私は踵を返して2人から遠ざかる。 やばいやばいやばいやばい。 「っ、ぅうっ」 泣いちゃダメ。