「うう…寒っ」
午後7時58分。
そろそろでとくか、と思ってベランダに出る。パーカーだけじゃ寒かったな。
はぁーと吐く息は白く、消えていく。
何を話されるのか。期待なんかしないでおこう。
期待するだけ傷付くだけだよな。
バン!!!
?!
向かいのベランダが勢いよく開いた。あ、杏奈?
タタタッと駆け寄ってくるシルエットと足音。
「え、え、まさか」
「光君っ!!」
向こうのベランダから大きくジャンプして高く体が浮いた。
こっちに向かって落ちてくる影は徐々に俺の部屋の光に照らされて薄くなる。
「あ、杏奈!」
受け止めようと大きく手を広げる。
嘘だろ?!なんでそんな大ジャンプ!!
「うわーーー!!」
杏奈を受け止めようとしたけど、流石に無理でそのままベランダに倒れた。
「つ、ててて…」
頭をさすり起き上がる。
「いたたた」
その横には杏奈が横倒れて起き上がろうとしていた。
「あ、大丈夫か?」
「な、なんとか…」
杏奈はむくりと起き上がった。
するとこっちを向いてジッと見つめてきた。
俺は戸惑って視線を背けてしまった。
「好きです」

