ああ、また嫌な方向に考えちゃう。
ダメなのに。
「まぁ、お互い頑張ろう?」
光君が無邪気な笑顔で言う。
「そうだね。頑張ろうね」
たとえ好きな人がいても、それはそれ。
はやく私も割り切れたらいいのにな…。
「じゃあ、またね」
私は手を振って自分の部屋の方を向いた。
「あ、まって!」
「ん?」
呼び止められて後ろを向くと光君が顔を赤くしてこっちを見ている。
「大声だして、ごめん…。あの…」
ああ、恥ずかしかったのか。
可愛いな、と思ってふふっと笑ってしまった。
「ううん。どうしたの?」
首を傾げて問いかける。
「えっと、その、明日から会ってくれる…?」
視線をさ迷わせながらモゴモゴ喋る光君。
あ、会ってくれるって…。前みたいに…?
いいのかな?でも、私も会いたい。
愛巳の事も解決したし。
いいよね?
「う、ん。良ければ会ってほしいな」
恥ずかしさで俯きながら言った言葉はちゃんと届いたかな…?
「まじで?ありがとう!」
ニカっとえくぼを作るあの可愛い笑顔で光君は笑った。
あ、届いてた。良かった…。
カァっとあつくなる頰を隠すように
今度こそ
バイバイ、と言って部屋に駆け込んだ。

