「ああ!そうそう!話したいことがあって」
私に言われて思い出したように目を開いた。
「クリスマス、何か用事ある?」
そっと目を離されていつもより静かな声で聞かれた。
「え、無いよ?」
クリスマスは特に何もないよね?
すると誠はぱあっと顔を明るくさせた。
「そしたら、一緒にその日あそばね?」
え、それだけ?
「別にいいけど…」
「えっ、まじ?!ありがとう」
本当に驚いているような、嬉しそうな顔でそう言ってくれるから私まで笑みがこぼれる。
「ふふ、楽しみにしてるから」
「おう!俺に任せて!じゃーな」
ほんのりと頰が赤く染まっていた誠はダッシュで部活に向かってしまった。
「え、うん。頑張ってねー」
風の如く走り去った誠の背中に声をかけておいた。
「…ふ〜ん?誠君とすごすんだぁ〜?」
あ、この人がいること忘れてた。
「何よ?」
後ろを振り返ると、ニヤニヤした顔で見てくる奏子が腕を組んで立っていた。
「べっつにー、次の恋のお相手は誠君かなーって思ったりしてー」
「は?!ないから!」
誠と恋愛なんて考えられない。
だって、私はーー
頭の中に浮かんでしまった一つの顔を急いで頭の中から振り払う。
もう、私ったら!これじゃあ、まだ好きみたいじゃん!
自分自身に喝を入れて考えを変える。
「とにかく、違うからね!」

