「お邪魔しまーす…」
小声で挨拶をして靴を脱ぐ。
「今誰もいないから。さ、遠慮なく」
ドアを閉めて靴を脱ぐと、誠はズンズンと廊下を進んでいく。
慌てて誠についていくと、リビングに入った。
「適当にソファにかけていいよ」
くいっと顎でソファを指すと台所に立ってお湯を沸かし始めた。
「わかっ…た」
おずおずとソファに腰をかけて誠が来るのを待つ。
数分すると、お湯が沸いて誠がカップにお茶を入れて持ってきてくれた。
「どーぞ。粗茶ですが」
はは、と笑って俺の前に置く。
「ありがと」
「で、本題だけど」
よいしょっと言ってテーブルを挟んで誠は向かい側にあぐらをかいて座った。
「お前は杏奈ちゃんがあっちの誠のことを好きなんじゃないかと思ってるんだよな?」
「…まぁ、そうだな」
まぁ、でも、俺が悩んでるのはそれだけじゃないんだけど。
「誠はクリスマスに告白すんだろ?
お前は?」
じっと目を見つめられていたたまれなくなり俺は逸らしてしまった。
「分からない…」
「分かんないって、告白する気ないの?取られてもいいってことかよ」
なっ!そんな事思ってるわけじゃないのに!!
「違う!俺だって言いたいけど、いつならいいかわかんないんだよ」
「そう言って逃げてるだけだろ?光は告白する勇気がないだけ」
いつもにまして厳しい声の誠。
しかも言ってることは図星だから俺は何も言えない…。
無言の俺に、はぁ、とため息をついて誠はまた話し出した。
「杏奈ちゃんも、今みたいな光は好きにはならないだろうな」
まさにその通りだよ…。
肩身が狭くなる思いで誠の言葉を聞く。
「でも、毎日会ってたくらいじゃそれ位でおまえの事を嫌いになんねーよ」
急にトーンが明るくなった誠に下を向いてた視線を上げる。
「大丈夫だよ、頑張れよ」
誠は拳を作り俺の方に伸ばした。
誠…。
ありがとな。
「分かったよ」
俺は自分の拳を誠の拳にぶつけた。

