「ね?お願いだから!会いたいときに会おうよ!ね?」
光君の手をとって笑ってお願いする。
でも、光君の顔はまだ険しいままだ。
「そんな、毎日よりはたまに会った方が楽しみも増えるし!」
私、何やってるんだろう。
まるで光君と毎日会いたくないって雰囲気じゃない?
「分かったよ」
「ひ、光…くん」
無表情になった光君は私の手をパシッと払った。
知らない光君にゾクッとする。
「ようはさ、俺と会いたくないって事だろ?いいよそれで」
「ち、ちがっ!!」
誤解を解こうとして光君の腕に手を伸ばすけど
光君は後ずさりして私の手を避けた。
な、なんで?
やっぱりそう解釈されちゃうの?!
「誤解だよ!そうじゃない!」
「じゃあなんで?俺と会えないって事は…
好きな人でもいるの?」
「え、えぇ?!」
じっと見つめてくる光君の突拍子もない質問に変な声が出てしまった。
「だって急に会うのやめようなんて
そういうことじゃないの?」
光君はなにをいってるの?
目の前がグラグラしてきた。視界が回っている感じがして足が地についているのかも分からない。
私が好きなのは、光君なのに…。
「なんで、泣くの?」
「え…」
慌てて手で目の当たりに触れると冷たい何かが溜まっているのがわかった。
…いつの間に。光君に言われて自分が泣いてることに気づいた。
「私、違うの。本当に誤解だよ…」

