「でもさ、誰だって可愛いか可愛くないかっていったら、可愛い方とるよね?」
当たり前の事を奏子に問いかける。
「そりゃ、そうだろうね。
でも、可愛いなんてその人の基準じゃん?
世の中には愛巳の事を可愛くないって思う人がいるかもしれないじゃん」
「えっ?!アリエナイっ!」
そんな人目が腐ってる!!
「例えばだって〜、だってそんなこと言ったら世の中の誰もがアイドルと結婚したがってるよ。
私のお父さんもお母さんと結婚なんてしてないよ」
あはは、と笑って
うちのお母さん不細工でさ〜
なんて言う奏子に少し励まされたのかな…?
でも、お母さんの事そんな風に言っていいのカナ?
あれ?
フッと頭上に影ができて笑うのを止めて上を向く。
「あっ」
「…あんたたち、なにしてんの?」
腕を組んでジロッと見下ろす愛巳が後ろに立っていた。
「あははー、ちょっと愛巳がどこに行ったのかなーって」
奏子は目を合わせないようによそを向きながら笑ってごまかす。
いや、苦しいぞ…奏子。
「もー、最低ー、覗きなんて趣味わるーい」
はーっとため息をついて愛巳もその場に座り込んだ。
「ちょ、覗きなんて失礼なっ!見学よ見学!」
「見てたんじゃない」
明らか墓穴を掘った奏子にしょうもない、とため息をもう一回ついて愛巳はこっちに向き直った。
「あれ?相手の人は?」
そういえばどこに行ったのかな?
第2校舎は3年生の教室と美術室などの教室ばかりだ。
だから1、2年はこの渡り廊下を通るはずだから相手の人も通ってくると思ったんだけど…。
「あー、あの人3年生だったからこっちこないよ」
ぶっきらぼうに愛巳は答える。
「さ、3年生?!」
「うん。もー本当に私の何を見てるのかね?話した事もないのによく告白できるよねー」
フッと、鼻で笑うと
「いこっ」
と言って立った。

