君との距離は1メートル 【完】






なんとも不思議な光景。






「杏奈ちゃん、おかわりどお?」




「あ、いただきます!」





え…、杏奈もう3杯目くらいじゃないか?


カレーのおかわり。






ちらっと杏奈の顔を盗み見ると、やっぱりどこか苦しそうな顔をしている。







でも、母さんは杏奈が無理しているのにも気付かず嬉しそうにお皿を受け取って炊飯器の方へ向かった。






「ねぇ、無理しなくていいよ?無理なら無理って言わないとずっとあの調子だから」




ボソッと母さんには聞こえない声で杏奈に耳打ちをした。




「そんな、せっかくよそってくれるんだからおかわりはしないと!あ、ありがとうございます!」





杏奈はにこやかな顔をして戻ってきた母さんからカレーがよそわれたお皿を受け取るとまた食べ始めた。






律儀なんだな…。




また、杏奈の新しい一面を見れた気がした。











「う、うぅ…、ちょっと食べ過ぎた…」





4杯目を完食した時、ついに杏奈がダウンした。



口を押さえて気持ち悪そうに机に突っ伏している。




「え、大丈夫?!」





「ちょっと気持ち悪っ…い…」






ああ、だから無理しないでって言ったのに…。


まぁ、俺も母さんに言えばよかったんだ。

可哀想なことしちゃったな。