「ハイハーイ!
そこまでーー!!ほら!もう直ぐで終わるから!俺たちは片付けっ!」
俺と吉野の間に誠が割って入ってきた。
「お、おい、押すなよ〜」
誠は俺の背中を押して教室へ押し込んでいく。
後ろを見るとぽかんとした表情の吉野が突っ立っている。
「お前、バカ?」
ボソッと耳打ちをされ、背中を押す力が抜けた。
急に背中を押す力がなくなったのでガクッと後ろに倒れそうになった。
「おま、あっぶねーな!しかも突然バカってなんだよ!」
ぐるっと振り返って誠を睨む。
腕組みをした誠は俺を見てため息をついた。
こいつっ!どこまでもむかつくな!!
「どうして可愛いとか言っちゃうかな〜?
好きな人にだけ言えばいいことをさー」
「はぁ?別に深い意味なんてないんだからいいだろ?」
何を心配する必要があるんだ?
俺は、杏奈の一つ一つの動作が可愛く見えるんだから、それにいちいち可愛いとか言ってらんないし。
ただ、普通に可愛いと思ったから言っただけで杏奈以外の人に好意を寄せてるわけじゃない。
「なんか、絶対思ってること違う」
誠はうーーんと唸ってから
はぁーーーと長いため息をついた。
ほんと、わけわかんね。

