君との距離は1メートル 【完】

「はい、ハーレムお疲れ様」




「あ、誠いたの?」


吉野の声で誠の存在を思い出した。






あ、本当だ。全然姿が見えないと思ったら教室の向こうのドアの方に立っていた。



「いたの?じゃねーよ!!イケメンはいいな!モテまくりでさっ!」




「別にイケメンでもねーしモテまくりでもないんだけど…」




「誠がモテなさすぎなのよ」


吉野がビシッと指差して誠に言い放つと誠は言葉を詰まらせた。






「まぁ、吉野ありがとう。助かったよ」



「いいの。ただもうすぐ終わるから後夜祭行こうって会いに来ただけだもん」




いつもと違って子供っぽい笑い方をした吉野。




こんな笑い方するんだ…。



いつも上品そうに、笑うっていうか微笑むような感じの吉野だけど


今のは目を細めてエクボがはっきり見える位口端を引っ張って笑っていた。








「吉野、そっちの笑顔の方がなんかいいよ?」




「えっ…?」




笑った顔から驚いた顔に変わりみるみる顔が赤くなった。



えっ?!そこ照れるところ?




「なんか自然でそっちの方が可愛いよ」




そう、杏奈もそんな笑い方するんだ。



明るい無邪気な笑顔だよな…。



ふっ…






思い出してたら俺も笑ってしまう。




「ひ、光が言うならそうしてみようかな…」





顔を下に伏せてごにょごにょとそう言った吉野に頷く。