君との距離は1メートル 【完】






「え、あ、ありがとう」





ドキドキとする胸を落ち着かせながらまた皿を出す作業に専念する。





「わ、私…用事あったから戻るね?」







「あ、うん。ありがとう」




心なしか一之瀬さん声が震えてる?




一之瀬さんは顔を下に向けながら出て行った。









「あ、光もう始まるぞー」






裏で皿を準備してる時に誠がカーテンから顔をのぞかせてそう言った。





「まじか、俺ら午後からだよな?」





「おう。杏奈ちゃんたちと回るんだろ?」





「うん。お前もだろ?」



あ〜、と言葉を濁した誠がに首をかしげる。





「なに?他に回る人でもいる?」




「いや。違うけど、奏子ちゃんも来る?」







ほんのりと頬を紅く染めて視線を彷徨わせながら聞く誠。






ああ…。そういうこと。





「来る来る。頑張んなよ誠〜」




ニヤニヤしながら誠をからかうのがすごく楽しい。




ますます紅くなる顔を隠すようにカーテンをばっとしめて誠はカーテン越しに話しかけてきた。





「うるせーよ!お前こそあっちの誠にとられないように頑張んなきゃいけねーだろーが!」





あ、そうだ。



誠の存在を忘れてた…。




ドクン…と心臓が嫌な音を立てる。