はぁ、はぁ
と荒い息を整える誠と俺の間に少しの沈黙があった。
「ご、ごめんな。こんな夜遅く…」
やっと落ち着いてきたのか、誠は顔を上げて申し訳なさそうに眉を下げた。
「いいよ。くだらない用事ではないだろ?」
こんな無茶ぶりのような事するのは何かしら重大なことがあったからに決まってる。
誠はくだらないようで夜中にフラフラするような奴ではないし。
「…うん。
ここでいいから話したいんだ」
「俺んち入れよ」
流石に寒いよ、と苦笑しながら誠に言う。
「じゃ…お邪魔するかな」
誠もはは、と照れ臭そうに笑った。
「で?用って何?」
俺の部屋で淹れたてのココアを飲む誠に単刀直入に聞く。
「あ、ああ…あのさ」
何故か言いにくそうに目を泳がせる誠。
「光は、杏奈が好き?」
「ぶっっ!!」
「ちょっ、汚いぞ!」
「わりっ、いや、でも」
いきなりすぎてココアを吹き出してしまった俺を怪訝そうに見る誠。
ふきんでココアを吹くけど動揺は隠せない。
そんな俺を見てか、誠は確信したのか
はぁーーと長いため息をついた。
「やっぱな〜、そうだと思った」
「まだ何も言ってねーよ」
勝手に杏奈を好きだということにされてる…ってかそうなんだけどさ。
「え?好きじゃないの?」
きょとんとした顔で俺を見つめる誠に
「好きだけどさ…」
聞こえないくらい小さい声で返す。

