ちょっとすねた声で言うと
杏奈は首をかしげて
「あれ〜?光君すねちゃいましたか〜?」
とおどけた声でからかってくる。
「ね!見せたいものと話したいことたくさんあるからこっち来てっ!」
杏奈は少し後ろに下がって俺が飛び移れるスペースを作った。
俺はベランダに足をかけていつも通り杏奈の部屋のベランダに飛び移る。
…でも、いつも通りなのはそれだけ。
やっぱり好きな人の部屋に入るのは緊張する。
愛巳の部屋に入るのと杏奈の部屋に入るのとでは全然違う。
「お邪魔しまーす」
いつもいつも平然を装う。
疲れるんどけどね…。
「座って座って!」
杏奈はテーブルにココアの入ったコップを2つ置くと自分の机から何か本を手にとってそれを持ってきた。
「あ、それ…」
杏奈がコクっと俺の言葉に頷くとテーブルの前に座った。
「うん。読んだんだ」

