まだ沈黙を貫く愛巳にもう一回声をかける。
「もし、いるっていったら?」
『だれ?』
今までの沈黙はなんだったのか、すごい速さで質問返しされた。
しかもその声はめっちゃ低い…。
怒ってる時の愛巳の声だ。
「いや、誰って、まだいるなんて言ってな『いるんでしょ?誰っ?!』
誰っ?!
て、言われても…。
絶対愛巳イライラしてる…。
意味わかんねぇ…。
「そんなの、誰だっていいだろ」
愛巳がこんな調子じゃ、相談なんてやめた方が良さそうだな。
杏奈にバラしそうな勢いだよ。
すると電話の向こうから
フッ、と鼻で笑う音が聞こえた。
『どーせ、好きな人って杏奈なんでしょ?』
…?!
なんで?!バレてんの??!
俺が何も答えないでいるともう一度あの馬鹿にしたような鼻で笑う音が聞こえた。
『図星みたいね?私が言ってあげようか?杏奈に』
やっぱりバラそうとしてる!!
「余計なことすんなよ。俺が自分で告白すんだから」
『…告白するんだ?いつ?』
やばっ。するとか言ったけど全然なんも決めてねーよ。
「まだ、そんなの決めてねーよ。
いつか出来たらいいなって感じ」

