ゔっ…。俺はなんていうべきなんだろう。
誰が見てもそうとしか思えないし、
愛巳から見ても今起こった出来事がそうであると肯定付けてしまってるようだし…。
かと言ってここで「うん」なんていうべきなんだろうか？
でも、長年愛巳と光と一緒にいて
少し、いや大分この子の事を分かってるつもり。
「うん。そうだと思う」
愛巳ならハッキリと言ってくれる方がありがたいって思うはず。
無駄な慰めとかは逆に後で傷ついてしまう。
愛巳は一瞬顔を引きつらせて
また緊張を解いた。
「だよね…。私、本当は前から分かってた。
てか、多分、光自身が杏奈への気持ちに気付く前に私の方が光の気持ちに気づいてたと思う」
愛巳のその意志の強そうな目は、確実だと言ってるようだ。
「そっか…」
でも、俺の気持ちはには気づいてない？
俺だって杏奈が好き。
でもそんな想いも儚く散りそうだ。
「それに、杏奈だって光が好きな気がする。顔が違うんだよ？分かる？」
愛巳はうつむく姿勢をやめてまっすぐ俺の目を見てきた。
悲しそうに、いたわるように…。
まるで俺の気持ちも見透かしてるような。
