別段、悲しいとは思わなかった。
涙もでない。
寧ろ私は両親の死に喜びを感じていた。
私は幼い頃から両親から虐待を受けていた。
殴られ、蹴られ、私の体はいつだって痣だらけ。
私が泣いても喚いても、両親は嗤って私を見下ろしていた。
助けを求めても、誰も助けてはくれなかった。
世界は残酷だと知った。


高校生になったばかりの春。
私達は出会い、彼と私はすぐに付き合い始めた。
彼が私の両親を殺した時、彼と自身の異常性に初めて気付かされた。