私の背中にもたれかかり、彼が密着してくる。
そのまま私の首に唇をつけて、キスをしてきた。


「……っちょ」


くすぐったい、と身体を捩じらせる。
熱くなりかけていた私の身体も、耳にあてたスマートフォンからこれから聞くことになる母の言葉によって途端に冷たくなる。


『あんたの友達って、男?』


焦ることは何もない筈なのに、母には何の関係もないことなのに、その言葉にゾッとし恐怖を覚えた。
彼が私の名前を呼んだ声が母の耳にも届いてしまったのだろう。


『今すぐ帰ってこい』


低く唸るような母の声を最後に電話が切れた。