「ごめん、起こした?」
「……ん、大丈夫…」


まだ眠たげな彼が、目を擦りながら起き上がる。
その間もスマートフォンから音楽は流れ続けている。
彼が起きたことにより回されていた腕は解かれた。
少しの名残惜しさを感じながらも自由を得た私はベッドから降り、スマートフォンを鞄の中から取り出した。

ディスプレイに表示された『"母"からの着信です』という言葉。
それを見た私は固まってしまう。
早く電話に出ればいいものを、私は中々通話ボタンをタップすることができなかった。