――――「偶然は必然、か」
彼の耳にも届かないような小さな声で呟いた。
尤も、今何かが彼の耳に届いていたとしても彼の意識にそれは上がらない。
彼は私の隣で私を抱き締めたままスースーと寝息を立てて寝ている。
さながら抱き枕代わりか。
いや、そもそも私は彼にとって抱き枕そのものなのか。
「……」
寝顔はいくらか幼く見えた。
そんな彼を、可愛いだなんて。
何を思っているんだかと頭を横に振る。
今日は疲れたし、私もこのまま寝てしまおう。
彼のこの腕の中なら、良い夢が見られる気がする。
「おやすみなさい」と小さく呟き、目を閉じた。


