寒かった。
痛くて、寒くて、涙が零れた。
それは雨と混じって落ちていく。


「ねえ」


後ろから彼の声。
ツンと鼻に込み上げてきた何かを息と共に吐き出して「何?」と返事をする。


「お前も空っぽじゃないの」
「……夏目君よりは入ってるよ」


ほとんど持ってはいないけれど、ゼロじゃない。