「誰、お前」 やっと聞けた彼の第一声がそれだった。 その声は冷たさを含んでいたように感じられた。 クラスメイト、しかも隣の席にいる私に対して彼はその言葉を向けた。 心の何処かで気にはするが、別段悲しいとは思わなかった。 「菜々美」 「名前は聞いてない」 「誰って聞くから」 「……まぁいいか。お前が誰だろうと俺には関係ない」 恩着せがましい言い方をするが、傘を被せてもらっている身分でよくもまぁこんなことを言えたものだと。 少し関心する。