雨降らないって予報で言っていたのに。
予報が外れた。
そんな時のための折り畳み傘を鞄から取り出して広げる。
そしてブランコから降り、ベンチへと近付いていく。
彼のいるベンチへ。

彼は突然目の前に現れた私をじろりと睨んだ。
綺麗な瞳が私を捉える。
気にせず口を開いた。


「寒そう」


そう言って彼に傘を被せる。
下心が全くない、と言えば嘘になる。
結局女は皆、綺麗な物が好きなのだ。

彼は私を睨んだまま、表情一つ変えることはない。