分かり切っていたことだろう。
何故黙っていた。

彼が汚れてしまう。
それを恐れたがため、彼を傷付けるという結果に繋がった。
私は私を許さないだろう。
彼を傷付けた罪は重いのだ。


「これからは、ちゃんと話すから」


だから、一緒に汚れよう。
一緒に汚れるのなら怖くない。
彼を傷付けるより、よっぽど良い。


臆病者の私達は、互いに互いをまるで壊れ物のように扱った。