自分の身に危険を感じたので反撃した。
私の体に沢山残っていたこれらの傷が何よりの証拠である。
この事は正当防衛ということで処理されるだろう。


————「菜々美」


職員室のドアの前で彼が待っていた。
不安げな表情をみせて。
あぁ、泣きそうな顔だ。


「なんで、言ってくれなかったの」
「言う必要が無かったから」
「言ってよ。どんなことでも」


彼が泣いた。